アナウンサー(女子)①

P.N パヤパヤ王女

この仕事に就いて感じたことは、アナウンサーになるには いろいろな方法があるということです。
私の知る限りでは、ある子は大学1年生の時から放送研究会 に入って、専門学校にも通い、念願通りローカル局のアナウンサー になったり、就職活動の記念として軽い気持ちで受けたら 受かったとか、放送局でバイトしていたら、局員に「受けてみれば」と いわれ、そのまま受かってしまったとか、アナウンサーになるための 王道は実はないんじゃないかと思います。

私の場合は、大学3年生のときにアナウンススクールに通い始め ました。舞台劇をやっている友人から「声がいい」と言われ影アナなど の手伝いをしているうちに、将来のこととか考えはじめて、とりあえず 行ってみようという感じでした。
正直言うと、格好いい男の子に出会えちゃうかも、なんていう期待も ちょっぴりありましたね(笑)

スクール選びも特別にこだわりがなかった(というか業界のことは全く 知らなかった)ので周りの友人に聞いて決めました。
このスクールがたまたま私の場合、ビンゴ!だったと思います。 某キー局関連の学校だったので、練習以外に実践経験の チャンスがすごく多かったんです。

機会があって、はじめて番組のオーディションというものを受けた (というか受けさせられた)のですが、もちろん受かるような実力 はありません。当然、落選となるわけですが、講師の人が言 うには「それでいい」と・・・
なんのことだか訳がわからなかったのですが、何回もオーディションを 受けさせて場慣れさせるのが目的だったそうです。
やはりオーディションとなると緊張する生徒がほとんどなんだそう です。私は性格的にあまり緊張しませんでしたが受かりもしませ んでした。

で、キー局というのは衛星放送もやっているので、私の学校の生徒は それなりのレベルにまで達すると、その衛星放送に出演させてもら えるんですね。私も半年もすると何回か出演させてもらえて、局アナもどき をやりました。これは良い経験でした。行ったスクールの メリットです。

この経験は履歴書にも書けてナイスです。 びっくりしたのがテレビ局の就職活動は大学3年の冬からはじまって いるんです。早いですよね。おかげで遊ぶ時間も減りました。
学校で教わるがままに履歴書を書いて筆記試験を受けました。キー局と ローカル局で10局くらい受験しました。中には30局ぐらい受けている すごい人もいました。

結局、ローカル局の2局に合格。面接で厳しそうじゃなかったほうを選び ました(笑)
今は脱力系ローカル女子アナをこせこせやっています。結構、大変です。 セクハラとかパワハラとか。

そうそう、面接試験を受けた他の受験者と話していて興味深かったのが 面接の時の試験官の態度と雰囲気です。
私の場合、どの局も緊張感が張りつめたような雰囲気で「この人達 怒ってるのかな?」というくらいに挑戦的な語調で質問されました。 一方で「すっごく面接官が優しくて良かった~」という受験者もいて、この 違いはなんなんだろうと思いました。美人度の違いかなー、なんて本気で 思っていたら「面接官が優しかった」と言っていた人は全員落ちていました。 こわ~、です。

合格した局の面接試験では部屋に入るとショートケーキが置いてありました。
「お、ラッキー」と思ったら「このショートケーキについて1分間しゃべってくだ さい」と言われて、ぬか喜び。
「ラッキーと思いましたが試験用のケーキということでがっくりです」という ような感じに思ったことを正直に1分間しゃべりました。あのケーキは試験終了後、 誰かが食べたんでしょうかねぇ。
通達で来ると言われた試験結果は、合格の場合は必ず先に電話がきました。

先日、勤めている局のアナウンサー面接試験に同席しました。
優秀な子がたくさんいてスゴイと思いましたが、評価が高かったのは、 おしなべて笑顔のいい子でした。緊張してても笑うときには笑う、 無理して笑ったらダメ、その場の雰囲気がつかめる子が高評価でした。 参考になれば幸いです。みんながんばってねー。