アナウンサー(女子)②

P.N 匿名希望です

小さい頃からテレビが大好きでした。
中学生くらいから漠然と、将来はアナウンサーになりたいと 思い始めて、高校で放送部、大学で放送研究会に入りました。
でも才能がないのか実力がないのか、とにかくどちらかの理由で しょうけれど、放送コンクールの入賞などは全く無縁でした。

大学生のとき「このままじゃ後悔するかな」と考えて、思い切って プロの人に学べる専門学校に通うことにしました。
学校では私と同じくらいの年齢の人が結構多くいてビックリしました。
でも、それが良かった気がします。
いろいろ友達が出来ましたし、友達の先輩アナウンサーの話など が聞けて、濃い情報収集ができました。

私はキー局を含めて15社くらい受験しましたが、恥ずかしい話、 全部落ちました。ほとんどの友達は、どこかしらアナウンサーと して内定をもらっていたのでかなり鬱になりました。
結局、アナウンサーの夢は破れ、百貨店に就職しました。
やれるだけやったのだから、と自分に言い聞かせました。

ところが、2年程ほど働いて百貨店の仕事の面白さがだんだん 分かってきた頃、偶然、アナウンス学校の友達と再会しました。
彼女はローカル局に就職して、現役バリバリのアナウンサー でした。

仕事にやりがいを感じている彼女をちょっとうらやましく 思ったので、正直にそのことを話すと、彼女いわく「まだまだチャレン ジできるよ」と・・・
知らなかったのですが、女子アナの転職採用って結構あるそう なんですね。

そこで、昔の夢がフツフツとわき上がってきて、まだチャレンジできる 年齢のうちにもう一度挑戦してみよう、という気になったんです。
勿論、会社には内緒です。
仕事に影響が出ない程度に休みを取って、3局ほど採用試験 を受けてみました。

新卒の時と違って、百貨店の仕事という逃げ道があったので、かなり 肩の力を抜いて受験できました。
それが良かったのかもしれません。3局のうち1局でトントン と最終面接まで残ってしまい、なんと内定がもらえたんです!

面接では「何か得意分野の話をしてください」と突然言われ、 百貨店の接客のマネをしました。お客さんが若い男性の場合、 妙齢の女性の場合、おじいちゃんおばあちゃんの場合、とパ ターン別に接客のマネをしたら、面接官たちが大爆笑。
百貨店勤務の成果(?)でしょうか。

百貨店は円満退社し、今、地方局アナとしての道を歩み始め ています。
仕事で失敗して「自分はやっぱりアナウンサーの才能がないなぁ」と 思うこともしばしばですが、夢がかなったことにとても満足して います。仕事は楽しいので、思い切って再挑戦して良かったと 思っています。